新しい師走の過ごし方。手抜きで快適のススメ。
Column|2025.11.24
Text_Kotaro Sakata
長年、世界を廻って、コロナ禍を境に完全に日本を再認識したことがある。それは、快適さにおいて、ダントツに東京のマンションが世界一であるということである。あくまで筆者の主観ではあるが、安全性、快適性、円安の恩恵?による相対的な物価安と東京の景色、食の旨さなどである。今年の年末カレンダーは、土日と年末休暇の組み合わせが悪いので、例年少しスケジュールをずらして休暇を拡大している方にはちょっと厳しいスケジュールですね。年末年始は海外とお決まりの方も、今年は指向をかえてみてはという提案である。
そこで、いっそ、自宅マンションをフル活用してみてはどうだろうか。共用施設を使い倒してみるのだ。特に年末は何かと共有スペースのパーティスペースの争奪戦になるので、12月の上旬に仲間同士のマンションの共有パーティスペースを行き来しながら、普段は使いこなせていない、もったいない共有スペースをフルに活用してみよう。
そこで大活躍なのが、ケータリングである。と言いたいところではあるが、都内有数のトップケータリングに取材したところ、11月、12月は、繁忙期で手が回らないほどの忙しさで、企業からの案件で手一杯とのことだった。であれば、グランメゾンだって同様だろう。こちらもミシュラン星付きメゾンを取材したら、クリスマスコースを前倒しにして、2~3回転と時間も限られて、割高で、なおかつアラカルトもダメというところも多いようだ。腕に覚えのある貴兄やマダムが、ここぞとばかりに料理の腕前を振るうホームパー ティを過去に何度も体験したが、ホスト自身が厨房に入りっきりになってしまい、大事な会話や、おもてなしがおざなりになって、自身御自慢の手料理を食べさせるという自己顕示に変貌してしまうという本末転倒なケースによく遭遇する。これは、かなりのケースで遭遇するので皆さんも覚えがあるのではないだろうか?ましてや、テーブルウェアや、カトラリーにまでこだわっている方ならなおさら、ここぞとばかりに張り切ってしまい、そのお返しの会をセッティング出来ないという空気の読めない事態になりかねない。
知人との『楽しい時間』を過ごすということが本来の目的なのであれば、自己顕示欲は少しおさえて、デリバリーのお弁当、ワインの持ち寄り、グラスだけ用意するという、プランを是非とも推奨したい。おもてなしは、パーティの大切な要素なのです。しかし、ホストが厨房に入りっきりで、行き過ぎた手料理は、返ってゲストに気を遣わせてしまうことになる。『料理に忙しいホスト』が知人をお見送りした後に片付けの山を見てため息をつくことのないように、Yoffのごとく、OFFを充実させてみよう。それには、全てにおいて、行き過ぎないことに尽きる。実は、この方法は某ラグジュアリーブランドオーナー宅で実証済。パーティそのものが大いに充実した成功例なのである。
年末のパーティや水回りの掃除も、子供のお世話も、時には、丸投げで、時間を作る工夫(決断)一つで、豊かなひと時を創造できるものである。パーティの後片付けのない自邸からの夜の眺めを改めて堪能するもよし、忙しない年末を切り離す令和の年末の過ごし方として『ポジティブな手抜きのススメ』である。
A new take on December: Comfort, the easy way.
After years of travel, I’ve concluded that Tokyo condominiums offer the best comfort in the world—factoring in safety, amenities, cost (thanks, weak yen!), views, and food. Given this year’s tough holiday calendar, I suggest a radical idea: instead of going abroad, let’s fully utilize our homes. My advice starts with maximizing our underutilized shared amenities. Since popular party spaces are fiercely contested during the holidays, let’s rotate parties among friends’ condo amenities in early December to make the most of the space. Next, let’s rethink hospitality. Top caterers and Michelin-starred restaurants are overpriced and rushed during the year-end season. Worse, I’ve often seen well-meaning hosts turn hospitality into self-display by spending the entire time trapped in the kitchen. This excessive home cooking neglects guests and is counterproductive.
If the goal is simply a truly enjoyable time with friends, I recommend suppressing the urge for self-display. Instead, adopt a plan of positive delegation: order catered bentos, have guests bring wine, and the host only provides glasses.
True hospitality means focusing on your guests, not your spatula. Overdoing the cooking only burdens you and makes your guests uneasy. To fully enjoy your “OFF” time and avoid sighing over a mountain of post-party cleanup, the key is simple: don’t go overboard with anything. This method, which I’ve seen successfully implemented by a luxury brand owner, ensures a fulfilling party for everyone.
Embrace this “positive cutting corners” approach. A rich, relaxing moment can be created by the simple decision to outsource cleaning, childcare, or party prep. Imagine enjoying the night view from your home, unburdened by cleanup—that is the perfect way to spend the year-end of Reiwa.

肉のお弁当 「壱虎」
肉のお弁当も取り分けてあるので
ビュッフェよりありがたい。


お野菜の健康弁当 「三河屋青果」
彩鮮やかな野菜もたっぷり。

