涼を嗜む-
私のチルアウト。
涼を嗜む-私のチルアウト。
暑い夏を快適に過ごしましょうという話。
夏が来る。青い海、わきたつ入道雲、蝉の声、そして夏休み!そんな開放的で楽しい気分も、近年では猛暑が酷く凹み気味。暑さに負けずに夏を過ごすいい方法はないものか?そこでクリエイティビティあふれる5人にそれぞれの“私のチルアウト”を訊いてみた。さてさて、どんな話が飛び出すか。 さらに、今回の「旅する餃子」はタイへお出かけ。暑い国の餃子ってどんな味?猛暑を乗り切るアイデアにあふれた今号の「yoff」。ゆっくり読んで、あなたもチルアウトを。
VOL.6
涼を嗜む-私のチルアウト。
滝に涼を求め、日本の感性を学ぶ。
坂崎絢子/Subtle Flow代表
Feature | 2024.06.21
撮影 : 坂崎絢子
真名井の滝(宮崎県)
近頃、「夏が暑くなった」とよく言われる。夏は暑いものだから、よく考えたらヘンな言葉づかいのような気がする。これは、私たちが常識の範囲でとらえている夏の暑さが、それ以上になっているということ。地球温暖化による気候変動のせい?そうかも知れないし、それはそれで対処をしなければならないが、もっと身近な問題として、今日の、今の、自分にふりかかっている暑さをどうにかしないと。猛暑は待ったなしだから。
涼を求めて、人はいろいろな工夫をする。リゾートでバカンスを楽しむ人もいれば、近所のプールに飛び込む人もいるし、かき氷をかき込む人もいる。さて、あなたならどんな方法で涼を楽しむだろうか?
ここに滝ガールという活動を行っている人がいる。坂崎絢子さん。大学生の頃から日本全国の滝めぐりをライフワークにして、滝の魅力を広く伝えている。なるほど、滝で涼を得るというのはなかなか魅力的だ。鬱蒼とした木々に囲まれて、大量の水がしぶきを上げて落ちる。あたりはマイナスイオンで満たされ、気持ちがゆったりとし、深い落ち着きが得られる。ぼんやりと、いつまでも、そこに佇んでいたくなる。想像しただけで涼しくなってきそうだ。
よし、滝を見に行こう!でもその前に、坂崎さんに滝のことを教えてもらおう。ライフワークをしてまで広めたくなる滝には、涼が得られるだけでなく、もっと深い魅力があるはず。滝に打たれるような、刺激的な話が飛びだすかもしれない。
Seeking coolness at waterfalls.
People often say that summers are getting hotter. Summers are supposed to be warm, but heat levels now often exceed our expectations. Is it due to climate change? Perhaps, and this needs addressing, but we also need to handle today’s actual heat. The intense heat won’t wait.
People have various ways to stay cool: Vacations at resorts, local pools, shaved ice treats. Which one is your preference?
Here is someone who is passionate about visiting waterfalls, Ayako Sakazaki. Since her university days, she has made it her life’s work to visit waterfalls across Japan and share their charm. The coolness of waterfalls is indeed attractive. Surrounded by lush trees, large volumes of water cascading down with a misty spray fills the air with negative ions, bringing a sense of relaxation and deep calm. You might find yourself wanting to stand there, lost in thought. Just imagining it feels refreshing.
Alright, let’s go see a waterfall! But first, let’s learn about waterfalls from Sakazaki. If she has made it her life’s work to share their charm, there must be more than just coolness to waterfalls. We might hear thrilling stories as invigorating as standing under a waterfall.
a.吐竜の滝(山梨県)
b.十二滝(奈良県)
c,d.赤目四十八滝(三重県)
e,f.アナギの滝(三重県)
日本独自の方法で、人は滝と関わってきた。
「滝には性別があるんですよ」と切り出した坂崎さん。いきなり、思いもよらないところから滝の話に飛び込んできた。「怖いほど力強く圧倒される男性的な滝があれば、柔らかく繊細な女性的な滝もあります。畏怖の念すら覚えるような神々しさのある滝を前にしたら、人間は謙虚さを取り戻しますよ」。
坂崎さんが滝に惹かれるようになった理由のひとつに、ダイナミックに流れ落ちる滝に、もっと近づきたい、もっとパワーをもらいたいという思いがあったそうだ。
そもそも身近に自然が少ない環境で育ったという坂崎さん。18歳で車の免許を取りドライブをしていたら、とある滝に出会い、心が揺り動かされた。そこから、いろいろな滝を見にいくうちに、滝にはそれぞれ個性があることに気づいたという。激しい、やさしい、かっこいい。滝って人みたいだと思いはじめた頃から、滝を求めて全国を巡るようになった。
「癒しが得られる、それは滝の大きな魅力です。でも、それだけではありません。 日本の滝には伝統や文化、民俗学といった、私たち日本人が大切にするべきものが息づいています。
例えば和歌山県熊野古道に日本三名爆の那智の滝がご神体とされていることは有名ですよね。 そしてその滝のもとでは荒々しい火祭りが行われる。そこには日本独自の滝と人の関係を見ることができます」。 また滝を通して地学へとアプローチしていけるとも坂崎さんは語る。 「日本には火山プレートが密集しています。 そこで地殻変動が起き、段差ができ、雨が多い場所では川が流れ込み滝になる。滝を通して地形や地質などを読むことも楽しいですよ」。
滝の話が止まらない坂崎さん、これまでで特に印象に残っている滝はどこですか? 「いくつかありますが、秋田県の安の滝はそのひとつです。落差が大きく、天から大量の水が落ちてくる様は壮大です。いまは通行止めになっていて行くことができないのが残念ですけど」。 他にも熊野エリアは那智の滝だけでなく、魅力的な滝が多くお気に入りだという。 一方にはマタギがいて、 また一方には修験者がいる。 そんな日本の精神性が息づく場所に滝があり、そこに坂崎さんは惹かれている。
Experiencing waterfalls in uniquely Japanese ways.
“Did you know that waterfalls have genders?” Sakazaki begins, immediately broaching the topic from an unexpected angle. “There are masculine waterfalls that are powerful and frightening, and feminine ones that are soft and delicate. Facing a majestic waterfalls that inspires awe can be humbling.” Sakazaki became fascinated with waterfalls because she wanted to get closer to their dynamic wonder and absorb their power.
Growing up with little nature, Sakazaki got her driver’s license at 18 and her encounter with a waterfall on a drive moved her deeply. Ensuing visits to various waterfalls revealed that each has a unique character—fierce, gentle, cool. She began viewing waterfalls as people and started traveling around Japan to find them.
“Healing is a major appeal of waterfalls, but there’s more. Japanese waterfalls embody traditions, culture, and folklore that we Japanese should cherish.
For example, Nachi Falls on the Kumano Kodo pilgrimage route in Wakayama, one of Japan’s three famous waterfalls, is considered sacred. A wild fire festival illustrating Japan’s unique relationship with waterfalls is held at the base of that waterfall.” Sakazaki also highlights the geological aspects: “Japan’s clustered volcanic plates cause tectonic shifts, creating level differences where rivers flow in places of heavy rainfall, creating waterfalls. Understanding the local geology and topography through waterfalls is fascinating.”
Which waterfall has left the biggest impression on you? “A few stand out, like Yasu Falls in Akita, with its grand drop of water from the heavens. Sadly, it’s now closed to visitors. I also love the waterfalls in the Kumano area of Wakayama, rich in spiritual significance with their Matagi hunters and ascetics. It’s this deep spirituality that draws me to them.”
Ready to explore waterfalls? Let’s immerse ourselves in their coolness and reflect on the academic insights Sakazaki shared.
g.大滝(山梨県)
h.吐竜の滝(山梨県)
i,j,k.那智の滝(和歌山県)
坂崎絢子
Ayako Sakazaki
Subtle Flow(サトルフロウ)代表。
東京生まれ。2022年から山梨県北杜市在住。
日本全国の滝めぐり歴15年以上。
滝が持つ癒しパワーに注目し、滝から地球の平和を考える「WaterFall & Peace」をテーマに、ライター、ガイドとして活動中。
滝そのものの美しさに魅せられるとともに、周辺地形や歴史的な背景、滝を扱う文学・アートまで、日本の「滝文化」に注目している。
土をつくり、野菜を育ててチルアウトする。
青木二郎/アートディレクター
Feature | 2024.06.21
日本の伝統的な避暑地、鎌倉。最近は外国からの観光客も増えて混み合っているが、ちょっと足を延ばせば静かで落ち着いた、本来の鎌倉の良さが満喫できる。そんな場所のひとつが鎌倉山。深い緑のなか、鳥のさえずりが心地いい。
「ここに暮らしていると、それだけで涼を嗜むことができますよ」と話すのは鎌倉山に居を構えるアートディレクターの青木二郎さん。数々の有名キャンペーンを手がける、クリエイティビティにあふれたクリエイターだ。
「この家での楽しみは自然豊かな環境と、家庭菜園です」。青木さんは広いバルコニーを利用して植物を育てている。その種類は驚くほど豊かで、ベビーリーフやローズマリー、トマト、レタスなどの野菜からミカン、コダマスイカ、デラウェアといった果物まで。 こうして植物と触れ合うことでチルアウトできるという。
「面白いと思ったらとことん凝ってしまう性分。だから植物を育てるために、土づくりから始めています。そもそも余った土はゴミとして出すことができません。ならばそれを利用しようと思いました。菌を混ぜて発酵させて、土を入れ替えながら育てた野菜や果物は格別な美味しさです」。鎌倉の深い自然に囲まれながら、土をつくり、野菜や果物を育てる。そんなスローな暮らしが青木さんの感性を豊かにしているのかも知れない。
Chill out by creating soil and growing vegetables.
Kamakura: The traditional Japanese summer retreat Kamakura, Japan’s traditional summer retreat, is now crowded with tourists, but a short journey away lies Kamakurayama, where the deep greenery and bird songs create a tranquil atmosphere.
“Living here alone lets you enjoy the coolness,” says Jiro Aoki, an art director residing in Kamakurayama. Known for his famous ad campaigns, he is a very creative individual.
“The joy of living here comes from the rich natural environment and my home garden.” Aoki utilizes his spacious balcony to grow various plants, including baby leaves, rosemary, tomatoes, lettuce, citrus, watermelon, and Delaware grapes. Interacting with these plants helps him chill out.
“When I find something interesting, I get deeply involved. That’s why I started with soil preparation for growing plants. You can’t just dispose of excess soil as garbage, so I decided to use it. By mixing in bacteria and letting it ferment, I can replace the soil and grow vegetables and fruits with exceptional taste.” Surrounded by Kamakura’s lush nature, Aoki creates soil and grows vegetables and fruits, enriching his senses with this slow-paced lifestyle.
青木二郎
Jiro Aoki
アートディレクター。
多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。
ADKを経て、2010年に株式会社ハツメイ設立。2022年より鎌倉長谷にて古書店も営む。日本工学院専門学校、桜美林大学非常勤講師。
キャンプに我が家をつくり、くつろぐ。
井上里恵子/インテリアスタイリスト・コーディネーター
Feature |2024.06.21
撮影 : 井上里恵子
涼を求めてキャンプ場へとでかける人は多くいる。
インテリアスタイリスト・コーディネーターの井上里恵子さんも毎月のようにキャンプに行くという。 ただ、 目的は涼むことよりも、気の置けない仲間と自然のなかで食事やお酒を愉しみ、 そのまま宿泊という至福を味わうことにある。
「私にとってのキャンプは家づくり。 テントのなかは寝室で、 外の焚き火まわりはキッチン、 みんなで寛ぐ場所はリビング&ダイニング。 そんな感覚で、テントを張る場所を決めます。 寝室は落ち着ける環境か、リビング&ダイニングからの眺めはいいか。 本格的なキャンパーとは異なる視点があるかもしれないですね」。 さすがにインテリア系のクリエイター、こだわりのポイントがユニーク。
キャンプ先での過ごし方のおすすめをきいてみると、「好きなキャンプスタイルは、お気に入りのチェアでのお昼寝、川辺でのチルアウト、 そしてお酒を飲みながらぼんやりと焚き火を眺める」。 ゆったりとした時間を堪能する、 それはとても贅沢なこと。 キャンプ道具に対しても、 井上さんらしい愛をもっている。
「キャンプ道具は軽量でミニマルな造り。 機能的なことはいちばん大事なことですが、 無骨ともいえます。 そこで私は、例えばガス缶にレザーのカバーを着せて柔らかい雰囲気にしています。 キャンプで使う道具もインテリアであることを意識して、チャーミングに、愉快に」 。
キャンプとひとことで言っても、 その楽しみ方は人それぞれ。 自然のなかで自分らしく過ごせば、心地いいチルアウトを得ることができそうだ。
Relaxing by making a home in a camp.
Many seek coolness by heading to campsites. Interior stylist and coordinator Rieko Inoue camps monthly. Her goal isn’t just to cool off, but to enjoy eating and drinking with close friends in nature and sleeping under the stars.
“For me, camping is like creating a home. The tent is the bedroom, the campfire area is the kitchen, and the space where everyone relaxes is the living and dining room. I choose the tent spot based on whether the bedroom is cozy and the living and dining area have a good view. This might be a different perspective from serious campers.” As an interior design creator, her points of focus are unique.
About her favorite ways to spend time at camp, she says, “I love napping in my favorite chair, chilling by the river, and watching the campfire while sipping a drink.” Enjoying leisure moments is a true luxury.
Inoue also has special affection for her camping gear. “Camping gear is lightweight and minimal. Functionality is key, but it can be quite rugged. So, I add soft touches, like covering gas canisters with leather sleeves for a gentler feel. I consider camping gear as part of the interior and make it charming and fun.”
Camping offers different joys for everyone. Find your own way to enjoy nature for a very pleasant chill-out experience.
井上里恵子
Rieko Inoue
インテリアスタイリスト・コーディネーター、「3rdparty」主宰。
インテリアデザイン事務所に勤務後、インテリア誌 『I’m home.』のスタイリストを中心にフリーランスとして活動。
現在は、広告撮影におけるインテリアやテーブルまわりのスタイリング、モデルルームやイベントのディスプレイ、個人邸のコーディネートなどを手掛ける。
2024年7月からスタートする「3rdparty」では、自身の感性に基づいて収集してきたインテリア小物を撮影用に貸し出すほか、小物や食材のセレクト・販売も行う。
Instagram : rieko_deco
中国茶の世界で、ゆっくり、落ち着く。
佐藤詠美/オフィスコンサルタント
Feature | 2024.06.21
「私はお茶で涼んでいます」。そう語るのはコクヨ株式会社でオフィスコンサルをやっている佐藤詠美さん。最近は中国茶にはまっているという。
「中国茶には、緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶の6つの種類があり、それをカラダの状態で飲み分けています。 涼みたいときは緑茶がいいですね。 味がスッキリしているうえに、お湯を注いだら緑の茶葉が開くのがきれいで涼しげで、癒されるんです」。
中国茶は薫りが楽しめるのも魅力だという。「中国茶は何煎もだすことができるのですが、一煎目や二煎目の薫りが驚くほど豊か。あと、煎じた後の茶葉もいい薫りがします」。そんな中国茶で特に好きな種類は?「お気に入りは蜜蘭香という青茶です。ウーロン茶の一種で、ライチの薫りがして、嗅いでいると気持ちがほぐれていきます。ただ、これは寒い時期に飲むのが好きですけどね」。
中国茶は奥が深いという。なかには何十万円もするものもあるとか。「例えば福建省北部の武夷山で採れる茶葉は20グラム270万円の値がついたとニュースで見たことがあります。中国茶はワインの世界に似ているところがあるんです」。
あたたかいお茶で涼む。佐藤さんは中国茶でチルアウトしている。
Relaxing in the world of Chinese tea.
“I cool off with tea,” says Eimi Sato, an office consultant at Kokuyo, who recently became fascinated with Chinese tea.
“Chinese tea comes in six types: red, yellow, blue, green, white, and black. I choose based on how I feel. When I want to cool down, green tea is the best. The taste is refreshing, and the green leaves unfurling when I pour hot water is beautiful and soothing.”
The aroma of Chinese tea is another attraction. “You can steep it multiple times, and the first and second brews have incredible aroma. Even the leaves after brewing have a pleasant scent.” What’s her favorite Chinese tea? “I love Mi Lan Xiang, a blue oolong tea with a lychee scent that relaxes me. But I prefer it in the colder months.”
She says Chinese tea has great depth, and some can cost tens of thousands of yen. “For example, tea leaves from the Wuyi Mountains in northern Fujian Province once sold for 2.7 million yen for 20 grams. Chinese tea is similar to the world of wine.”
Sato enjoys cooling off with warm Chinese tea.
佐藤詠美
Emi Sato
コクヨ株式会社
ワークプレイス事業本部 ワークスタイルコンサルタント
ステージ後のお酒の場でリラックス。
枝並千花/ヴァイオリニスト
Feature | 2024.06.21
撮影 / Jun Matsuo(撮影協力・霞町音楽堂)
モデルのような美貌と、それ以上の音楽的センスと技術を持ちあわせたヴァイオリニスト、枝並千花さん。日本フィルハーモニー交響楽団などからゲストコンサートマスターに招かれるほどの実力者であり、さらにオーケストラプロジェクト「ORCHESTRA POSSIBLE」を率いるなど、いまのクラシック音楽界をリードする存在となっている。
そんな枝並さんのチルアウトは、お酒。 音楽を聴きにきてくれたお客様たちと飲むことが、なによりもリラックスできるといいます。 「私が演奏をした曲を聴いてくれたお客様と飲む。 同じ音楽を共有したもの同士、コミュニケーションも深まり、その場がひとつのかたまりになるような感覚が好きなんです」。 One love、 みんなでひとつの愛を共有する歓び。 枝並さんのステージの後には、そんな空間がある。 「お酒を飲んで、わいわい楽しむ。 そこで私は、皆様からたくさんのエネルギーをもらい、それが次のステージの原動力になっている。 そんな場がもてることに感謝しています」。
静寂のなかひとりで寛ぐという方法ではなく、華やかな場でチルアウトできるのはどうしてですか? 「よく考えてみると、ヴァイオリンの練習や作曲、ステージに立つ準備は全て1人で集中するため、孤独な時間が多いのです。コンサート後の達成感と高揚の気持ちを持って、皆様とともにお酒を楽しむ時間は、私にとっては逆にリラックスできるのです。そのような時間を大切にするようになってからは、コンサート後の乾杯を楽しみにしてくださるお客様が増え、それもとても嬉しいことです」。 枝並さんとお酒を飲みながら音楽談義に花を咲かせる。それはこちらにとっても、大いにチルアウトできる時間になりそうだ。
Relaxing with drinks after the stage.
Violinist Chika Edanami, who possesses beauty akin to a model and even greater musical talent and skill, is frequently invited as a guest concertmaster by the Japan Philharmonic Orchestra and other venues. She also leads the orchestra project ORCHESTRA POSSIBLE, making her a leading figure in the current classical music scene.
Edanami’s chill-out method is drinking. She finds having drinks with the audience who came to listen to her music most relaxing. “I enjoy drinking with people who heard me perform. Sharing the same music deepens communication, and I love the feeling of everyone becoming one.” Sharing her love of music with others after the stage is her thing.
Drinking and having fun together gives me a lot of energy, which fuels my next stage. I’m grateful for such moments.”
Why does she prefer relaxing in a lively setting rather than alone in silence? “When I think about it, I’m usually alone. Whether practicing the violin or in daily life, I rarely talk to anyone. So, these festive moments are precious to me. My post-concert drinking sessions are well-known, and people look forward to them as much as the concert itself.” Discussing music over drinks with Edanami sounds like a perfect way to chill out for anyone.
枝並千花
Chika Edanami
ヴァイオリニスト。第52回全日本学生音楽コンクール中学生の部全国第1位。
第24回ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリンコンクール(伊)優勝。
06年東京交響楽団へ入団。退団後はソロ活動、国内外アーティストとの共演多数。
日本フィル、東京シティ・フィル、東京フィル等にゲストコンサートマスターとして招かれる他、IDINA MENZEL、IL DIVO、2CELLOSなどの海外アーティストのジャパンツアーのコンサートマスター、X Japanコンサート、YOSHIKIコンサート等に出演。
2009年CHANEL Pygmalion Days アーティスト。これまでに3枚のアルバムをリリース。
・web : https://edanamichika.jp/
・YouTube : 枝並千花 CHANNEL
・Instagram : chikaedanami
シャネル・ピグマリオン・デイズ20th Anniversary 出演
2024年12月15日(日) 14:00〜/17:00〜
https://nexushall.chanel.com/program/2024/pyg_20th_anniv/
第2回 オーケストラポッシブルコンサート
2025年4月3日 開催予定
食べて飲んで、美味しいチルアウトを楽しむ。
Feature | 2024.06.21
ユニークなスイーツと、国産ワインのマリアージュは涼しくて、美味しくて、みんなを幸せにしてくれる。
「食で楽しむチルアウト」というテーマでパティシェの中村さんが考案したスイーツとワインのマリアージュ。 出された皿にはユニークなスイーツがあった。
まず「焼きナスのアイスクリーム」。 このアイスクリーム、本当に焼きナスの味がして、それが不思議ととっても美味しい。 バニラのアイスクリームの場合、普通は水分の100%が牛乳だが、このアイスクリームでは水分の50%が焼きナスになっているという。 でも、どうしてナス?
「ナスはヨーロッパでも広く食べられています。このポピュラーな食材を使ってスイーツをつくりたいと思いました。ナス料理でいちばん、ナスの美味しさが楽しめるのが焼きナス。そこで、焼きナスをアイスクリームにしてみました」。
もうひと皿はスコーンに、ハチミツを混ぜたクロテッドクリームを添えたもの。このスコーンが、ただのスコーンではない。「このスコーンは、イチゴだけの水分でつくっています。するとパサパサしないし、味わいも豊かになります。酸味があるから甘味が楽しめる、そんなスコーンになっているかと思います」。 スコーンの隣にあるのはルバーブのジャムにバラを添えたもの。
これらオリジナリティあふれるスイーツにあわせるのは国産のワイン。スイーツのちょっと子どもっぽい味と、ワインの大人の味がうまくマッチして、美味なる時が楽しめた。
A pairing of unique sweets and domestic wine brings cool,
delicious happiness to everyone.
Under the theme of “Chill Out with Food,” patissier Nakamura came up with a pairing of unique sweets and wine.
First, grilled eggplant ice cream. This ice cream, which tastes remarkably like grilled eggplant and is surprisingly delicious, is made using the étuvée method, utilizing only the moisture from the ingredients. Typically, vanilla ice cream’s moisture is 100% from milk, but here, 50% is from grilled eggplant. But why eggplant?
“Eggplant is widely consumed in Europe. I wanted to use this popular ingredient in a dessert. Grilling brings out the best flavor in eggplant, so I turned it into ice cream.“one.” Sharing her love of music with others after the stage is her thing. Another confection features a scone served with clotted cream mixed with honey. But this is no ordinary scone. “This scone is made using only the moisture from strawberries. It doesn’t get dry and has a rich flavor. The acidity enhances the sweetness,” Nakamura explains. Next to the scone is rhubarb jam with a touch of rose.
These original sweets are paired with a domestic wine. The playful sweetness of the confections complements the mature flavors of the wine, producing a delightful experience.
中村輝貴
Teruki Nakamura
1988年 福岡生まれ。
高校で微生物学を学んだ時にスイーツの世界に興味をもちパティシエの道を目指す。
製菓学校を卒業後カフェ、パティスリー、ビストロ、星付きレストランなどで働きながら自分独自の感性を磨く。
現在、毎回予約で満席になる皿盛りデザートとワインのペアリングイベントを月1回(第3日曜日)定期で行っている。
Instagram : teruki.nakamura.canele
特別なスイーツづくりには、高い品質と豊かな味わいの中沢乳業の乳製品が欠かせない。
今回、チルアウトなスイーツづくりに協力してくれたのが中沢乳業さん。156年という長い歴史を誇る老舗の乳製品メーカーだ。
明治初年の創業時はなんと、東京・新橋駅近くで牧場を営んでいたというから、いまの感覚からすると驚き。当時は牛乳だけを扱っていたのが、やがて生クリームの生産販売をするようになり、以来90年以上にわたり生クリーム専業メーカーとして歩んできた。いまでは生クリームはもちろんクロテッドやヨーグルトなども揃え、レストランから一般家庭まで幅広く愛されている。
品質の高さをキープし、さらに乳製品をもっと美味しく、もっと豊かに使ってもらうために、中沢乳業では様々な創意工夫を凝らしている。そのひとつが専任のパティシェによるレシピ開発。有名なパティスリーやホテル出身のパティシエといった経歴をもつスタッフが、中沢乳業の製品を使ったメニューの開発・講習を実施。また物性のアドバイスを行うことで製品の理解促進も図っている。さらにこのような精鋭スタッフが新製品の開発に携わっている。
老舗の中沢乳業であるが、やってきたことはチャレンジング。イギリスのアフタヌーンティーで使われていたクロテッドやロシアではポピュラーだったサワークリームを日本に初めて紹介している。
日本ではあまり馴染みのなかったものを、日本に広める。創業時からの一貫した哲学がいまでも、企業風土として息づいている中沢乳業。より良い製品で次々と、新しい美味を創りだしている。
Creating special sweets requires the high quality
and rich flavor of Nakazawa Dairy.
Nakazawa Dairy helped create these chill-out sweets. With a history of 156 years, they started with a ranch near Tokyo’s Shimbashi Station in the early Meiji period.
Initially dealing only in milk, they soon began producing and selling fresh cream. For over 90 years, they have specialized in cream and now offer clotted cream, yogurt, and more, and their products are beloved by restaurants and households alike.
To maintain high quality and enhance their products, Nakazawa Dairy constantly innovates. This includes recipe development by dedicated patissiers, with staff with experience as as chefs in famous hotels. They also provide product advice and participate in developing new products.
Though boasting a long history, Nakazawa Dairy has been innovative. They were the first to introduce to Japan clotted cream, used in British afternoon tea, and sour cream, popular in Russia, along with various other products. Nakazawa Dairy’s consistent philosophy since its founding still lives on in its corporate culture, and they continue to create delicious products and flavors.
中沢乳業株式会社
Nakazawa Dairy Products Co.,Ltd.
Web : https://www.nakazawa.co.jp/
Web : https://nakazawa-eshop.com/(中沢乳業e-shop)
Instagram : nakazawa_cream